逃げ続けてもクリアできた傑作 「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」 (ネタバレなし)

2023年4月某日、とある動画がSNS等でバズっていた。

「ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム」(以下ティアキン)がもうすぐ発売するということで投入された、この3rdトレーラー。

ゴリゴリの王道RPGしかやってこなかった自分にとってアクションゲームは避けてきた道であるため、ゼルダの伝説は今まで一度もやったことがないゲームだったけど、この動画には釘付けになってしまった。

何が刺さったかって、まず音楽。
感動して何度聴いたかわからない。
ゲーム自体はやったことがないのにサントラだけ聴きまくるという現象に陥りやすい自分にとって、新たに刺さってしまったのがこのティアキンのトレーラーだった。

ただ、数日もすればそんな感情も落ち着いてくるだろうと思いながらもティアキンの発売が近くなってくると、まだその感情が冷めていないことに気づく。
そこで決断。一度やってみようと。

トレーラーだけでここまで行動につながることは今までなかったことだけど、なにしろ前作のブレスオブザワイルド(以下ブレワイ)は、ファミコン時代からの全てのゲームを対象にしたテレビゲーム総選挙の頂点に立ったゲーム。

ブレワイとティアキンはゲームシステム自体は似ていて繋がっているようなので(ティアキンの前にブレワイをやっておくと良いという声も結構確認できたので)、まずはこれをやってみて面白くなかったらもう自分はゲームに向いていないんだと諦めもつきやすい。

なによりブレワイは、Nintendo Switchのローンチタイトルの一つであり、そして任天堂が最後に発売したWii U用ソフトでもある。
所有ゲーム機が押し入れに入っているPS2しかないこの状況で、準備する敷居が一気に低くなる。
Wii U版を本体と共にフリマアプリで買ってやってみることにした。

自分のゲームの歴史をたどってみると、子供の頃はスーパーファミコン~プレイステーションが主に遊んだゲーム機で、PS2までは買ったもののしばらくして社会人になり、以降はゲームをやらなくなるという道を進んでいる。
PS2は結局専用リモコンを買ってDVDプレイヤーになってしまった。

最後にクリアしたのが、PS2のドラクエ8。
その前はもう初代PSのソフトになると思う。
しかしPS2のドラクエ8は素晴らしかったという記憶しかない。
あんな等身大なドラクエの世界を走り回れる時がくるとは思ってもなかったので感動した。
多分ゼルダにはそれを遥かに上回るオープンワールドがあると思ったからこそ惹かれたところはあったのだと思う。

しかし、それまでやっていたジャンルはとにかく王道RPGばかりだった。
スーファミもドラクエ・FF・ロマサガといったゲームばかりで、PSもFF7が出るという理由で買ったわけで、ゼルダは自分にとっては初めてのアクションRPGになる。

なんというか急かされるのが嫌いなタイプで、放置している時間があると不利なるようなゲームに萎えてしまう傾向があり、FFもアクティブタイムバトルシステムが嫌いで、ウィンドウを開いている間は時間が止まる設定にしてゆっくりやっていた。
なのでゼルダは不安しかなかった。

しかし、ブレワイの3rdトレーラーの音楽もものすごく良い。
当然このトレーラーもプレイする後押しになった。

いざプレイしてみてまず感じたのは、とにかく世界観がすごい。
壮大なジブリ映画の世界に入っているような感覚とでもいえばよいのだろうか。

作りこまれた素晴らしい映像のおかげで没入感につながっていると思うのだけど、このゲームは音も重要視されていて、川のせせらぎや焚火の音など、ASMR的な効果も高くて非常に癒される。
滝の音とかも左右からそれぞれ入ってくるので、くるっと回ると聞こえ方も変わってくる。
動物や魔物に近づくと徐々にかすかな音が聞こえてきたりもするので、攻略面でも音は重要になる。

ピアノ主体の音楽も、それらの音の邪魔にならないように調整されているのではと思うくらい、ちょうどいい具合で調和していて心地いい。
このゲームは絶対イヤホンでプレイした方が良いと思う。

さすが任天堂だと一番思ったことは、非常に丁寧に作られているということ。
初めてやったアクションRPGが任天堂の作品で本当に良かったと思えるほど親切に設計されていて、何度も間違えるボタン操作もその設計に助けられたという場面が度々あった。

基本的にこのゲームは「間違えても再チャレンジすればええんやで」という設計になっていて、ペナルティとかもほぼないし、自分のようなアクションが苦手なユーザーにも非常に配慮してくれている部分が多く、ありがたかった。

自分のブレワイのプレイスタイルは、とにかく逃げる、だった。
敵の気配がしたらまずはとにかく高いところに登って安全を確保し、爆弾を使って倒せるのであれば時間をかけて倒す。これの繰り返し。
高い場所がなくて素早い敵であっても、大抵はダッシュで切り抜けられる。
レーザービーム打ってくるやつでもダッシュでS字に動きながら遠ざかっていけばなんとか逃げられる。
敵が入っている祠は当然スルー。

アクションが苦手という理由以外にも逃げるのに拍車がかかったのが、「武器が壊れる」という性質。
ラストエリクサー症候群(最強回復アイテムを結局最後までもったいなくて使えない病)、というか、通常のエリクサーですら使ったことがない自分としては、武器はなるべく壊したくないという気持ちがどうしても強くなってしまって、武器を使いたくない=逃げるになってしまう。

隠れて逃げる、を繰り返していると、メタルギアソリッドと勘違いしてやいないかと思うこともあったけど、「敵がいなければ好き放題果物とか狩りをしに世界を回れるのになあ」と思ったときは、どうぶつの森と勘違いしてるんじゃないかとも思った。
自分が今プレイしているのはゼルダだ。勘違いしてはいけない。

しかし余裕のある距離感で敵のアジトとかを眺めていると、敵は敵で生活しているんだなーと思える風景があって、とても和む。
一定の距離まで行くと物音に気付いて見回りにくるけれど、遠ざかれば気のせいかと戻っていくし、自分の意志で行動しているかのように見えるのはすごいと思った。
自分が知っている昔のRPGとかだったら、ロックオンされたらどこまでもついてきただろうに。進化してるなー。

ブレワイにはレベルの概念がなく、持っている武器や防具の強さで決まってくるため、とにかく逃げるという戦法は結果的にかなり有効だった。
とにかく何かしら進めてさえいればライフも増えて装備が揃ってくるため、遠回りをすればするほど強くなっていき、どうしても避けられずに放置していた中ボス的なやつに向かっていけるようになる。

この時ふと感じる。
ゲームデザインが神がかっていると。

正直最初は、戦闘はドラクエのようなターン制にしてほしかったと思っていたけれど、アクションRPGになっているからこそここまで自由な進め方ができて成立するのだと、自分の考えを真っ向から否定され、感動した。

できないものはそのままできないままでいい。
そうしてもゲームバランスは崩壊しない。
ゲームも時代と共に昔の根性論から進化していたのであった。

一番最初に中ボス的なやつにぶち当たったときは100%勝てないと思って無視して遠くの関係のない地に旅立ったけど、一緒に戦おうと入口で待ち合わせしたあいつは一体ゲーム時間で何年待ち続けてくれたのだろうか。
通常ルートとは全く違うと思われるルートを進んでもバグらず行き止まりにもならず、開発陣は一体何年デバッグをしたのだろうかと思うくらい、品質管理の高さにただただ驚かされた。

予想通りコントローラーの操作がついていかなかったし何十回死んだかわからないけど、そんな自分でも最後に中ボスを順番に倒していってラスボスにも勝てたのは、ゲーム設計の勝利だろう。

丸2ヶ月やって、総プレイ時間は129時間。
こんなに長い時間プレイしたのは今までの人生の中で初めてだと思う。

結局危なっかしい塔とかルートに入っていないところはスルーしたので達成率は20%だったけど、十分満足している。
しかし中盤以降攻略サイトを見ていたのに20%って、100%とか達成する人すごすぎやしないか。
乗馬の才能がなさすぎで結局最後まで馬には乗らずじまいだったけど、次は挑戦してみようかな。

アクションが苦手で逃げ続けてもクリアできた「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」。
間違いなくゲームの歴史に名を刻む神ゲー。
素晴らしい作品でした。

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド

 
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