ゼルダをやるまで、ドラクエ・FFがゲームの頂点だと30年間信じて疑わなかった。

ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド ロゴ

「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」(以下「ブレワイ」)の2周目が終了。

クリアしたゲームを1からやり直すことなど今まで1度もなく、ましてやこのゲームはクリアまで100時間以上もかかるゲーム。
本来であれば、そんなの苦行でしかない。

今までの様々な常識が、この1本のゲームで覆された。

あれほどやっていたソシャゲをやらなくなる

PS2以来のコンシューマーゲーム。

今まで日課だったソシャゲとは、はたしてなんだったのだろうか。

気がつけばソシャゲの単純操作しか受け付けなくなっていた自分が、複雑な操作を要するブレワイをやることで自身の退化を感じることになるとは。
字を書かなくなったことで漢字に弱くなり、バカになってるんじゃないかと思う感覚に近いのかもしれない。

ソシャゲの入りやすさは感心するほどよくできている。
ただこれは、ゲームではなかった。作業だったのだ。
ブレワイをやって、気づいてしまった。

ブレワイ2週目で「クリア」を実感

ここからは、クリア後のブレワイの感想もここに挟んでおきたい。

最終的には以下で2週目を終了とした。

ハート:19
がんばり:MAX
祠:88
コログ:209
達成率:35%
プレイ時間:110時間

ここまでやっても35%。
おかしい。
50%でも無理と言えそうだ。
100%はもう都市伝説としか思えない。

1週目ではさすがに不完全燃焼だった部分も2週目では手慣れたもので、真のエンディングを見たこともあり、十分やり切った感があった。
2週目でようやく「クリア」した。

「ビタロック+」という初心者への救済措置

真のエンディング以外でも、避け続けていたライネルと戦いまくったり、MAX変族装備をコンプリートしたり、イチカラ村を完成させたり、馬を積極的に使ったり、2週目は効率を重視しながらできなかったことをどんどんやっていった。
特に馬は乗ってみてその優秀さに気づいて、もう馬なしで移動することが不便で仕方なくなってしまった。

馬の操作くらいまでは慣れることができたけど、やはり戦闘のジャスト回避とか瞬発力が求められるアクションは最後までダメだった。
だけどそんな自分でもライネル撃破までできたのは、「ビタロック+」のおかげとしか言いようがない。
これは究極の初心者への救済措置だと思う。
任天堂のこういった配慮には、ただただ頭が下がる。

変族装備の強化に必要素材はライネルを倒すことが必須となるけれど、そのライネル以上に強い敵が非常に限られていることから、素材が揃いきった頃にはこの装備を活かす場面がほぼほぼないのには少し寂しさを感じた。

ここらへんまでくると、ラスボスは数秒で倒せてしまう。
レベルの概念がないからどれくらい強くなってるのかわかりにくくなっている分、これには驚いた。

戦いたくない気持ちは2週目でも変わらず

1つだけ贅沢を言わせてもらうと、クリア後のボーナスとしてでもDLCでもなんでもいいから、敵が一切出ないモードが欲しかった。

クリア後はまた元の世界(最終セーブ地点)に戻ってしまってなんだか余韻が残らない形になってしまうから、ただひたすらハイラルの大地を駆け回ってみたかった。
全ての敵が襲ってこないお面アイテムとかでもいいからとにかくひたすら駆け回ってみたかった。
新しい癒し系ゲームとして楽しめると思う。

ドラクエ・FFが頂点だという思い込みという名の呪いが解ける

エンドロールの最後に岩田さんの名前が出てきてうるっときたあと、自分がいかに狭い世界の中でゲームをやってきたことかとふと考える時間ができた。
なんだか今まで自分がドラクエやFFしかやってこなくて、それが頂点だと30年間信じて疑わなかったこの思い込みが一気に覆されてしまったからだと思う。

そこで、ドラクエ11の体験版をやってみることにした。
ドラクエ・FFの二大RPGで育ってきた人間で、ゲームと言えばドラクエ・FFだったから、ゼルダをやった後同じように自由に動き回れる最新のドラクエ11をやってみたらどう感じるのかを知りたくて、体験版をやってみた。

最初の触ってみた感覚が、「なんだかぎこちない」。
もちろん性質が違うゲームだとは承知の上でのことだけど、それにしても街を歩き回るにしても見えない壁が多すぎるし、ジャンプをすると垂直にあり得ない高さまでびよーんと飛んでいくし、動きの1つ1つが不自然に見えてしまう。

本当にちょっとした段差であってもそこは実際は壁であってジャンプでいけないし、逆にかなり高いところから落ちることはできたり、人間が直感的に不自然だと思ってしまう場面がドラクエに限らずありがちだけど、ゼルダではそれが極限にまで調整されていて、ここは進めるだろうと思うところは進めるし、一定の高さを超えるところから落ちれば怪我をしたり死ぬこともある。

一時期バズった、GTAとかの人の動きを実際の人で再現するみたいな動画でDQ11はネタにできる動きだけど、ゼルダは実際の動きに近いからネタにできないみたいな差がある。
雨が降ればついている火は消えるし、ぶつかった障害物は自然に転がっていく。
住人も動物も虫も自然も様々な要素が同時に活動しているゼルダの世界は唯一無二なものなのだと、ドラクエをやって感じた。

なんというか、今までスクエニのRPGばかりやってきた自分としては、スクエニの技術力(ベンダーは別会社という話はここでは置いておいて)はとんでもないものだと脳内に刷り込まれていたけれど、任天堂はその技術力の遥か上をいってるんだということを2023年にブレワイをやってようやく学んだ。
そもそもゲーム性の違いによるものは重々承知していて、ドラクエはドラクエで1本道のストーリーを楽しむという醍醐味は頭ではわかっていて、ドラクエ11もその前提で楽しめるとは思うのだけれど、ブレワイのインパクトが強すぎるがゆえに余計に粗探しになってしまうのだとは思う。

かつてスクウェア開発主導で任天堂とタッグを組んだスーファミのマリオRPGのように、こんどは任天堂開発主導でドラクエを作ってくれないものだろうか。
別にオープンワールドにする必要はなく、ゼルダのような自然な世界の作り込みをドラクエに取り入れてほしいと言うことなんだけど、ゼルダの世界でMMOとかできてしまったら、どうなってしまうのだろう。

色々妄想してしまうくらいのインパクトを与えてくれた、「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」。
今まで持っていた考えを改めさせてくれた、素晴らしい作品でした。

 
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