ガラケーを改めて使って思う「日本製がスマートになれない」理由

スマートフォンはその名の通り、情報をスマートに取り出せたり、わかりやすい形式で整理できたり、直感的に操作できたりする、高機能な携帯端末のことを言います。

別にiPhoneのような形をしていなくても、というか、極端な話、ガラケーだって要件を満たせばスマートフォンになりうるとも思ってますが、よく元ドコモ執行役員の夏野さんが言っているように、スマートフォンが持っている機能のほぼ全てはガラケーでも既に実現できているものであったと、僕も同じく思ってます。

しかし、なぜここまでガラケーがガラケーと言われ続けているのか。

久しぶりに検証機としてガラケーを購入し、「こういうところがあるからなんだよな」と感じた場面があったので、その一部を書いてみたいと思います。

僕がガラケーを購入するに当たって重視したポイントは2点。

     

  • Wi-Fiで使用できる。
  • CCDカメラを搭載している。

1点目は、検証で使用するものなので、通信速度が爆速なWi-Fiが使えるのが望ましい、というか、これが1番のポイント。
2点目は、ついでにデジカメ代わりに使おうかと、CCDカメラを搭載しているものができれば欲しいといった感じ。

まあこれくらいであれば選択肢があるもので、結局、防水で1210万画素CCDカメラを搭載しているいいものが買え、満足してました。

しばらくして、早速この携帯をデジカメ代わりに使う場面に遭遇。
100枚くらい写真を撮って、帰宅。

問題はこの写真の転送にありました。

Bluetoothが搭載されているため、これでPCに転送しようと思ったら、なんと、1ファイル単位でしか転送できない。
しかも、1ファイルの転送に1分近くかかり、実用できるレベルじゃない。

防水携帯であるため、コネクタの開閉はできる限りしたくはありません。
そこから水が入る可能性は開閉を行えば行うほど高くなりますから。
しっかりとそこには水没確認シールも貼られていますし、メーカー側もそれを自覚しているのではないかとも思えます。

そこで思いついたのが、卓上ホルダ経由でデータ転送を行うというもの。
こうすれば、コネクタの開閉も発生しません。

しかしその発想も、数分後には、もろくも崩れ去ってしまうのでした。

なんとこの機種の卓上ホルダには、USBでの通信ができない仕様となっていたのです。

結論として、写真データをPCに転送する際には、

     

  • 電源を切る。
  • 本体のふたを外す。
  • バッテリーを外す。
  • MicroSDカードを外す。
  • MicroSDカードをUSBアダプタに取り付ける。
  • PCにUSBアダプタを挿す。

という手順が毎回必須となります。

もちろんここから元に戻すため、

     

  • PCからUSBアダプタを引き抜く。
  • USBアダプタからMicroSDカードを取り出す。
  • MicroSDカードを携帯にセットする。
  • バッテリーを携帯にセットする。
  • 本体のふたを取り付ける。
  • 電源を入れる。

という手順も毎回必須となります。

せめてBluetoothにて複数ファイルの送信が可能でさえあれば、選択肢の1つは増えていたのですが、せっかくのBluetoothもこれでは宝の持ち腐れなのではと思えてしまいます。

しかも防水携帯であるのに、ここまで必ずカバー類の開閉が必須となる仕様になっているのにも疑問を感じます。
防水をうたうならば、USB通信機能がついた卓上ホルダくらいは標準で付属品として入れるべきではないでしょうか。
結局、カバーやコネクタの開閉により劣化した部分からの水の混入は、水没として取り扱われますからね。

人それぞれの使い方やニーズはあるかと思いますが、僕はどうしてもこの統一感のなさが「非スマート」に感じてしまい、日本製の機能の付け焼刃的なだめな部分に見えてしまいました。
全てのインターフェースはそれぞれの良い部分として繋がっていないと、全く使えないものになってしまいます。
今回の1件はその象徴のように感じてしまいました。

スマートフォンの場合は、たとえはじめにそういった部分があったとしても、アプリやOS自体のバージョンアップによりフォローしてくれることも期待できますが、ガラケーにはなかなかそういった風習がないので、悪い部分は悪いで終わってしまうんですよね。
それも一つの原因だとは思ってますが、そこらへんを言っているときりがなくなってしまうので、ここらへんにしておきます。

今回はこの中途半端さを「スマートになれない理由」の一例として書かせていただきましたが、またそのうち違う視点で感じたことも、機会があれば書いてみたいと思います。

しかし、5ヶ月前に書いた「ドコモ携帯からiPhoneに乗り換えて起こった数々の変化」とは結果的に正反対の記事になってしまいましたが、ガラケーはガラケーの良さもあることを最後に付記しつつ、こちらも機会があれば記事にできればと思ってます。

大事な時間を割きつつここまで読んでくださった皆様に感謝です。

 
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コメント: 5

 
  • 電源供給口からUSBにつなぐことができると思いますが、そのとき携帯電話をSDメモリアダプタとして接続できる形式を選択できないですか?N901はできました。

    電源に関してはどのみちコネクタを接続する必要が生じますので、こちらの口を使う手もあると思います

     
     
     
  • 機種名書かないと、何の検証にもならないし、検証不能だとただの悪口レベルですよ。

     
     
     
  • >大事な時間を割きつつここまで読んでくださった皆様に感謝
    こんなこと書くくらいなら、機種名くらい書けよ。
    コメントでもなんでもいいから。

    未だにこの記事じゃ機種名分からいというのに、謝辞だけは過剰でイラッとする。
    言葉だけの謝辞なら書くな。

     
     
     
  • 日本の製造業では機能の○×だけで話をするからです。

    なぜそうなるかというと、「他社にある○○機能がうちにはない→
    だから売れない→付けろ」の論法で毎度営業が文句をつけて
    くるからです。また、重要な決定をする管理職は「ものづくり」系の
    おじさんが多いので、変動費が変わらないソフト開発の要求は
    スルーで通ります。

    彼らは○×にしか興味がないので、機能が付いていれば満足
    します。またそういった機能追加にうんざりしている技術者は、
    「とりあえず動けばいいだろ」という実装になりがちです。

     
     
     
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