ネットをする30代とネットをしない30代

私は90年代から、パソコン通信→インターネットと、ネットにどっぷり浸かっている34歳。

Windows 95以降、インターネットに接続できる環境が急速に整っていきましたが、95年、まだ高校生だった自分は、バイト代の一部をネット接続料に充て、我先にとホームページを作ったりして、ネット上の人々とコミュニケーションするなり楽しんでいたものです。

そのWindows 95も、早いもので、発売からもうすぐ20年になろうとしている。

インターネットに接続するこということが当たり前になっている現在ですが、それでも皆インターネットを使っているわけではない。

ただ、2000年にIT系の仕事をするようになってからは、周りを見渡せば皆ネット業界の人間であるため、インターネットを利用することが当たり前になっていたわけで、「インターネットを使っていない人なんていない」という錯覚にも陥ってしまうくらい、現在まで、ネットとの付き合いが常識化してしまっているわけです。

「検索できない」人は意外に多い

知り合いのエンジニアなんかと話していると、たまにこんなことを言う人がいます。

「大体問題は検索で解決できるし、悩み自体は明確になっているのに、なぜかその検索ワード自体浮かんでこないって、その人が馬鹿なだけなんじゃないか」

そういう人は、大体何か質問に対して、ググれば解決するといった返答をすることがあります。

ネットをずっと使い続けている自分からしてみれば、言っていることはわかるし、そう言ってしまえば終わりなんですけど、世の中結構そういう「検索できない」人って、意外に多いんですよね。
ネット業界にどっぷり浸かってると、なかなかそれに気づけない。

ネットをする人は忙しい

私の場合、地元に帰った時なんかはそれに気づくことが多い。

例えば私の弟なんかは、PCというものからかけ離れている超アナログ人間であるため、「この駅ってみずほ銀行ないね。交番ないし探し回ってもどこにも見当たらないから隣駅まで行ってくる」なんてメールがくるのでネットで調べてみたら案の定あっさり反対側にあったりするし、ネットを使わないかわりにどれだけ足を使っているのだろうと思ってしまうことがちらほらある。

学生時代の友人らと旅行に行くときなんかは、Twitterなんてしていれば、「またつぶやいちゃってんの?」と言われるし、食べ物の写真なんて、誰も撮らない。
Facebookは一応登録はしているけど、登録しているだけといった感じ。
毎朝ニュースサイトなどを見ているというだけで、「情報の波に毎日溺れて苦しくない?」と言われたり、「無駄に忙しいね」と言われることだってある。

それに対し、ネット業界の人達とどこかへ出かければ、どこかしらで必ずスマホでSNSをやっているし、チェックインもしているし、食べ物の写真も食べる前に撮りまくっている。
Yahoo!トピックスやはてなブックマークなどをチェックするのは最低限の日課。
当たり前と感じていても、こう比べてみると、この差はすごい。たしかに忙しい。

地元にいると、自分がいかにネットに依存しているかを感じることができる。

Facebookだって、少なくとも自分にとっては、承認欲求を満たすためだけのツールだもの。
仕事は別として、言われてみると、なんでわざわざこんなに忙しいことしているんだろうと思うこともあります。
別にやらなくたっていいのに、1日に何度もアクセスしてしまうんだから、依存しているとしか言いようがない。

Googleにはできない大切なこと

話は戻りますが、そういう人に向けて、「ググれば解決するから」と言えるだろうか。

私の見解から言ってしまうと、そもそもの話、別にそういう人に向けてじゃなくても、「ググれば解決するから」は基本的にはなしだと思っている。

もちろんそれも状況によるし、仕事に関連することだったりすれば、「聞くばかりではなくもう少し調べなよ」と言うことも必要だし、全てでないことを予め言っておきますが、わかってほしいのは、「あなたにわざわざ質問してくるのは、単純に回答の一言だけを求めているわけではない」ということです。

そこから生まれる新たな発想だって、コミュニケーションだって、ググっても出てきません。
そしてそれはとても大切なことなんじゃないでしょうか。
回答だけを返してくるGoogleにはできないことを、聞く側は求めているんです。
そこから生まれるちょっとした会話であっても、Googleには真似できない唯一無二のものであって、意味のあるものなんじゃないでしょうか。

 
ネットをする人はする人の生き方があり、ネットをしない人はしない人の生き方がある。
それを十分理解した上で、そのネットをしない層に対してどういったサービスを持ちかければ手持ちのスマホでうまく活用してもらえるんだろう。

そんなことを考えている中で思ったことの一部を、ここに書き起こしてみました。

2014年のインターネットは、きっと昨年以上にもっと「ライト」な方向へ進むことでしょうね。
私も枠にとらわれないサービスを世に送り出せるよう、頑張りたいと思います。

 
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コメント: 2

 
  • はじめまして。
    2023年、3月にこの記事を初めて拝見させていただいたのですが、(当方は20代です)「あなたにわざわざ質問してくるのは、単純に回答の一言だけを求めているわけではない」という言葉、じんわりと響きました。確かに、Googleで調べるだけでは得られない、暖かく意味のあるものは会話の中にあると思います。
    インターネット上の会話よりも、
    生身の人同士のやりとりの方が伝わりやすいし誤解も少なくて済む場合だってたくさんありますし。でもやっぱり、ネットに触れ慣れた私にとっては、生身の人とのやりとりですら難しいです。まぁ、逆に言うとネットでは取り繕える分楽な面もありますけどね。ネットの恩恵とアナログの恩恵、どちらもいいとこどりできたらとは思いますが、なかなか上手くいかない人が多くて、両極端になることが多いだろうと思いますし、ネットの無いままでも生活ができるという選択肢や多様性はあった方がいいと私も思っています。

    あなたのことを応援してます。

    ここまで読んでいただきありがとうございました。

     
     
     
    • こちらこそ大変貴重なコメントを残していただき、心より御礼申し上げます。

      私のようにインターネットどころかスマートフォンや携帯電話すらない時代から生きている人間と、生まれた頃からネット環境がある方とでは当然感じ方は異なるものだと思っておりますが、今現在のこのネット社会の中を過ごしている身としてネットとの関わり方をどう考えるかは共通している部分も多くあるのだと思っております。

      例えばメール等の文章内ですれ違ったやり取りを延々と繰り返しているようなことがあった場合、一度面と向かって話しただけで解決してしまうようなことも多々あったりもしますし、逆のパターンで詳細が不明確のまま進んでしまったりすることもあるので、やはりそこらへんのバランス感覚は今現在も今後も重要なものなのだと感じます。

      いただいたコメントは、私としても非常に興味深いご意見で、参考になりました。
      ありがとうございました。

       
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